トラスト環境新素材研究所

食から未来を考える

日ごとに秋の気配を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のブログでは、食品ロス問題をテーマにしてお伝えします。

WWF(世界自然保護基金)が2021年に発表した報告書によると、1年間に世界で生産された食品のうち40%にあたる約25億トンの食品が廃棄されているとされています。

そして、食品ロスの深刻化が環境問題に与える影響は、ますます大きな懸念事項となっています。
生産から輸送、そして保管に至るまでの過程で消費されるエネルギーは、食品が最終的に消費されないとその価値を完全に失います。
また、食品ロスはごみとして廃棄されるため、焼却処理する際にも二酸化炭素が大量に排出されます。
世界で年間に排出される二酸化炭素のうちの10%食糧廃棄物に由来していると言われており、これはアメリカとヨーロッパの自動車による年間二酸化炭素排出量のほぼ2倍に相当します。

このように、食品ロスは地球温暖化や気候変動の一因になっており、世界的に深刻な問題となっているのです。

今回は、このような食品ロス問題について、
「個人が改善に取り組めること」と「弊社の環境素材で解決に貢献できそうなこと」の2つを紹介します。

 

食品ロスの削減

 

食品ロスを削減していくためには、個人や家庭での取り組みも不可欠です。
個人ができる取り組みの基本となるのは、買い物時に「買い過ぎない」、料理を作る際に「作り過ぎない」、外食時に「注文し過ぎない」、そして「食べきる」ことが重要です。

具体的には、買い物前に冷蔵庫の食材をチェックし必要な分だけを買う、すぐに使う食品は「てまえどり」を心がける食べられる分だけ作る、食材が余ってしまったときはフードバンクへの寄付を検討する、といった行動が適切な例として挙げられます。

食品を無駄にせず、適切な量を購入し、資源を効率的に使用することが、環境保護への第一歩です。これらの行動は小さいものかもしれませんが、食品ロスという社会問題に立ち向かうことは、環境保護への責任を果たすことに繋がります。

食品ロスの活用

 

「廃棄物」を「資源」として再活用・循環させる取り組みは年々広がっています。
例えば、食品工場にて製品の製造過程に出てしまう廃棄食材を、粉砕・乾燥させるなど手を加えることで、動物のエサや野菜の肥料に転換するといった有効活用です。

その中でも、卵殻お茶殻コーヒー豆の絞りかす古くなった備蓄米など、これまで当たり前に大量廃棄されていた食材に注目が集まっており、それらを加工することで新しい素材や製品として転換・活用している例が増えています。

これに貢献できそうな弊社の環境素材は、「生分解性プラスチック」です。

弊社の生分解性プラスチックは主に未活用資源を原料としており、その名の通り微生物の働きによって水と二酸化炭素に分解され、自然に還る性質をもちます。
廃棄されてしまう食品残渣などが加工され、生分解性の樹脂などの特殊素材と混ぜ合わせられることで、100%の生分解性をもつ素材として生まれ変わるのです。

先ほど挙げた食材以外にも、籾殻果物貝殻石灰岩鉱物など、幅広い資源を生分解性プラスチックとして再生することができます。植物由来のためカーボンニュートラルに大きく寄与することができ、その上、抗菌・抗ウイルス・脱臭などの高機能な性質の付与も可能としています。

この新素材が、地球温暖化をはじめとする環境問題の解決へと繋がるかもしれませんね。

→「生分解性プラスチック」についてはこちらから!

10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」農林水産省によって制定されています
消費者省や環境省、小売・外食事業者と連携して食品ロスの啓発活動を行っており、ポスターやウェブサイト、動画コンテンツなど身近なところで食品ロスに関する情報が発信されています。
このようなきっかけや話題から環境について考え、地球や未来の生活を守るために自分ができる行動を一緒に選んでいきましょう。

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