ファッションが環境に与える影響
日に日に暑さを感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のブログでは、サステナブルファッションをテーマにしてお伝えします。
現代の日本においては、日々膨大な量の衣料品が生産・販売されていることはご存知でしょうか。
アパレル製品の国内供給量は2017年時点で推計約38億点と、1990年代に比べるとほぼ倍増しています。
世界においても日本においても、ファストファッションブームの拡大とともに、服は使い捨てるものという前提のもとでトレンドに合わせた衣料品を大量生産しています。その後、供給された衣料品のうち約4割は売れ残り、廃棄・処分されているとのことです。
こういった衣料品の大量生産による環境への影響は、いくつも挙げられます。製造段階で資源を多く消費すること、製造時の有害物質の発生、マイクロファイバーによる河川や海洋汚染など、多岐に渡ります。
このような問題に対して、衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指した、生態系を含む地球環境や社会に配慮した取り組みが始まっており、それらはサステナブルファッションやエシカルファッションと呼ばれています。
今回は、ファッションが与える環境への影響や問題について、
『地方や自治体を中心に改善に取り組んでいること』と『弊社の環境素材で解決できそうなこと』の2つを紹介します。
衣料品の適量生産・再利用
2021年には年間約36億着の衣料品が供給されていますが、大量に製品が生産され廃棄される現代社会において、それぞれの過程で多くのエネルギーが使われ、大量の二酸化炭素が排出されています。こういった環境負荷を少しでも抑えるために、物の大量生産/大量消費を抑制する必要があります。
環境省によると、日本中の人々が今ある服を今年捨てずにもう一年長く着るだけで、日本全体で約3万tの廃棄削減につながると言われています。
買わない選択をするだけでも大量生産を見直すアクションとなるほか、衣料品のシェアやリメイクなどにより一着を長く着ることもサステナブルファッションに繋がります。
また、自治体や企業、法人団体などによって消費者の不要になった衣料品を回収し、その後必要とする人々に届けたり、適切にリペア・リメイクして再利用したりする取り組みが年々活発になっています。
まずはあなたの住んでいる自治体のホームページで「古着 回収」などと調べてみるのはいかがでしょうか。
衣料品の再資源化
先程も言及した通り、ファッション産業は、大量生産・大量消費、大量廃棄により、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、ライフサイクルの短命化などから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されるようになっており、日本のみならず世界中で深刻な問題となっています。
現在、日本の家庭から家庭から手放される衣料品の量は年間約47万tで、そのほとんどが焼却や埋め立てにより処分されてしまうため、手放される衣料品のうち再資源化されているのはたったの約5%しかないといわれています。
廃棄量を削減し、限りある資源を無駄にしないためにも、衣料品の再資源化が重要視されています。
ここで解決に繋がりそうな弊社の環境素材は、「生分解性プラスチック」です。
生分解性プラスチックは、未活用資源を原料として作られ、その名の通り微生物の働きによって水と二酸化炭素に分解され、自然に還る性質をもちます。
未活用資源、つまり廃棄されてしまう衣料品が、生分解性の樹脂などの特殊素材と混ぜ合わせられることで、100%の生分解性をもつ素材として生まれ変わるのです。
他にも、コーヒー粕や籾殻、果物、卵殻、貝殻から、石灰岩や鉱物など、幅広い資源を生分解性プラスチックとして再生することができます。
植物由来のためカーボンニュートラルに大きく寄与することができ、その上、抗菌・抗ウイルス・脱臭などの高機能な性質の付与も可能です。
この新素材が、地球温暖化をはじめとする環境問題の解決へと繋がるかもしれませんね。
→「生分解性プラスチック」についてはこちらから!
このように、日常に欠かせない製品も、知らないところで大きな環境問題を抱えているかもしれません。
身近な話題から環境について考え、地球や未来の生活を守るために自分ができる行動を一緒に選んでいきましょう。